“チャラい奴”に救われる感動。
僕は大学2年生になっていた。
慶応boyをしつつ、ダンスもやっちゃって、
大学のOBさんのコネで、西麻布の洒落たバーでアルバイトをしている僕は、チャラついていた。
毎晩、酒を飲み
毎晩、可愛い子と話し
毎晩、お持ち帰り出来てなかった。
え？出来てないの？
ある日、一個下の21歳のイケメンスペインクォーター店長に相談した。
何故、僕は、お持ち帰り出来ないのか。
答えは、シンプルだった。
なんかダサいから。
なんか服もダサいし、なんか髪型もダサいし、なんか中身もダサかったらしい。
特に、髪型は終わっていたらしい。
「どうすりゃいいんだよ？」
と叫ぶ聞くと、
「とりあえず明日、美容院行くんで一緒に行きます？」
翌日、僕は店長の通ってる美容院について行った。
表参道にあるAKROSという美容室だった。
「秀介さんの予約しときました！
僕は軽くセットしてもらうだけなんで、髪切っちゃってください！」
と気遣いもイケメン。スペイン1/4店長。
でも、少し不安だった。
料金は、たしか7,000円。
正直、高いと思った。
普段通っていた川崎の美容院は、3,900円。
髪に7,000円もかける意味あるのかな。。
よっぽどカッコよくしてくれんだろうなー！
という心の声とともに
お店の雰囲気が川崎のそれとは違い過ぎてビビりまくっていた。
とにかく不安だった。
そんなことを思っていると、担当の美容師さんが現れた。
凄く笑顔だった。
「こんっちわー！！」
爽やかチャラかった。
「中村です！お願いします！」
声が大きく、明るく、黒髪、色黒、小さいピアスのイケてる美容師さんだった。
美容師さんのイメージと少し違った。
もっと美容師ってガッツリチャラい感じ。
んでカッコ付けてる。
なんか違う。
ハツラツが前面に出てる。
顔と雰囲気が暑苦しかった。
もはや、うるさかった笑
「どんな感じにしますか！？」
お店と中村さんの雰囲気に圧倒されていた僕は、死ぬほど緊張していたので
「お任せで、へ、へへへっ笑」
と、超こわばった笑顔で言ってしまった。
けど、
「かしこまりました！！！」
と元気よく返された。
なんかもう所作の１つ１つが、エネルギッシュな人だった。
髪を切られてる間、どんな話をしてたのか。
なんかお笑いの話を少しした気がする。
それくらいあっという間にカットは終わった。
めちゃくちゃ切るの早いな〜
あと下の名前がトメ吉っていうのは、変だな〜
というのが初中村トメ吉を体験した僕の感想だった。
1/4店長は、僕の髪型を見た瞬間に
「おぉ！カッコいい！
さすがトメ吉さんっすね！」
と、興奮していた。
けど、正直、この髪型のカッコ良さが、僕にはわからなかった。
普段切られてる髪型より、カッコいいのだろうけど、う〜ん、そんな変わってるのかな〜という感じだった。
7,000円の価値ある？
全然あった。
トメ吉さんは、それからAKROSを退社し、OceanTokyoを立ち上げる。
そして、僕は今でもOceanTokyoで髪を切っている。
もう6年以上トメ吉さんや他のスタッフの方には、お世話になってる。
何故なら、初めてトメ吉さんに切ってもらった髪型の評判が死ぬほどよかったからだ。
大学で会う友達に
「あれ？なんかイケてない？」
とか言われたり
ダンスサークルの女子に
「芦名がイケメンになってる！！笑」
とか言われたり
バーで会ったイケメン俳優っぽい人に
「お兄さん、髪決まってますね？」
とか言われた。
髪型と雰囲気をめっちゃくちゃ褒められるようになった。
服は、ずっとダサかったけど笑
髪型を変えるだけで、こんなに周りの評価が変わる経験、初めてだった。
褒められる度に、感動した。
7,000円以上の価値が、死ぬほどあった。
僕は、”カッコいい”を知らなかった。
というより、”カッコいい”が自分の中になかった。
だから、服もこだわらない。
ダサいと言われても行動しない。
外見にお金を使わない。
その重要性がわかってなかった。
でも、今27歳のASHiNAは、少しばかり”カッコいい”を持ってる。
その方が、生活してて気分が良いことを知ってるから。
トメ吉さんが髪を切ってくれたおかげで。
トメ吉さんは、おそらく自分の思うカッコいいイメージをかなりクリアに強く持ってる。
そして、それを何度も具現化してるはずだ。
イメージ→具現化→イメージ→具現化→イメージ→具現化
何千回、何万回と試行錯誤をして来たのだろう。
だからそのカッコいいを、猛烈なスピードで僕の髪型で再現出来る。
すごいよね。
最高かよ。
OceanTokyoで髪切ってから2時間後の僕。
(2014年3月)
5年前の僕。カッコいいな笑笑
イケてる。芸歴１年目のよしもと芸人の雰囲気ではない笑
外見を気にするようになると、性格も変わるもので、僕はどんどんエネルギッシュになっていった。
かなりトメ吉さんの持つ雰囲気やパワーに憧れていた。
その時、感じたパワーが今のBEE活動にも、もちろん繋がっている。
大きすぎる人に、大きすぎる服を。
XXLの服を原価販売。
こんな無茶なことをする勇気を。
こんな人を感動させようとするカッコ良さを。
気付けるキッカケをくれて、
ありがとうございます。
トメ吉さん。
なんかチャラいだけだ。
と思っていた美容師さんっていう職業はどうやら違うらしい。
暑苦しく、カッコ良さを常に求め、表現する仕事らしい。人のことも変えれちゃう。
そして、「中村トメ吉」という人間は、美容師離れしている。
パワーが桁違い。
トメ吉さんによく聞く例え話があった。
「パラメーターってあるじゃん？こんなの」
「美容師って、
カットが上手いやつ、
喋るのが上手いやつ、
とか色んなやついると思うんだけど、全部平均点以上のパラメーターでもダメなのよ。
普通のことは、出来て当たり前。
その上で、どっか一箇所、個性みたいなもんが槍みたいに突き抜けなきゃダメだと思うんだよね。鋭く尖る個性がないと。それが人の胸に突き刺さる。そんくらい感動してもらえるようなことを美容師としてやりたいんだよね。」
的なことをおっしゃってた。
すごい考え方カッコよくない？
尖りが胸に突き刺さるって良いよね。
カッコいいイメージを超具現化して、その人に感動させ、行動まで変えちまう職業。
それが美容師なんだね。
またちゃんと稼いで、トメ吉さんに髪切ってもらおう。そうしよう。
PS ダンス動画を1年間続けられたのは、トメ吉さんに褒められたおかげでした。
また明日もブログ書きまーす！
2019年1月9日より
180cm以上の為のアパレルブランド
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