糞ホステスの恩返し。
24歳の僕の目の前で、
その事件は、静かに起きていた。
当時、僕は、西麻布のバーで
アルバイトをしていた。
その日は、店長と僕の2人。
いつも通りガヤガヤしていて、忙しく、
なかなか繁盛しているお店だった。
朝5時、残ってるお客さんは1組。
常連の銀座のホステスさん達で
男女3:3の合コン?みたいな感じだった。
正直、早く帰ってもらいたかった笑笑
お酒を運んでは、
「すいませーん!」と呼ばれ、
お酒を運んでは、
「すいませーん!」と呼ばれ、
5〜6時間ノンストップで楽しそうに
飲まれていた。
こっちは、全く楽しくない。
眠い。だるい。つらい。
「じゃあ、お会計お願いします。」
めっちゃくちゃガタイの良いお兄さんが、酔っ払いまくってるのに、礼儀正しくお会計しに来た。
金額は正確には覚えてないが、
相当行っていたと思う。
そのお兄さんは、すぐに
ホステスさんの1人を連れて帰っていった。
つまり、まだ4人残っている。
正確に言うと、4人寝ている。
ブチ切れそうだった笑
早く帰りてぇ。
僕は、歳下の店長に言った。
「全員殴り起こしいい?」
答えは、ややYESだった。
「すいません!!もう営業終わりました!!
起きてください!!!」
身体を強めに叩いて、起こそうとした。
しかし、起き上がらない。
ほぼビンタくらいの強さで、もう一度。
男性が1人起きた。
ありがとう。
次は、グーで行くとこだったよ。
男性は、ホステスさんの1人を連れて帰った。
つまり、まだ2人残っている。
正確に言うと、2人吐いている。
男女が仲良く吐いている。
2人前だ。
僕は、
芸歴1年目、まだまだツッコミも板についていないペーペーのお笑い芸人だったのだが、
その年、1番の的確なツッコミを出せた。
「ふざけんなよ!!!くそが!!」
と言っても、状況は変わる訳ではない。
完全に潰れている。
大きな声で、強めのパーでも、反応がない。
んで、吐いてる。
F××k
歳下の店長は、普段仕事が出来るが、
“その”類の片付けが苦手だった。
マジ使えねー笑
とりあえず男女共に、口元を拭いてあげた。
男性が特に嫌がっている。
普段、拳銃を持ち歩いてなくてよかった。
もし持ってたら、
確実に、6発、脳天にぶち込んでる。
男性が起きた。
「うえ、気持ちわりぃ。」
うるせー。早く帰れ。
男性は、起き上がり、きちんと財布やケータイの持ち物を確認し、店を出ようとした。
キムタクを意識したはずだ。
「ちょ待てよ!!」
僕は、大きな声で言った。
「え?一緒に帰らないんですか?」
「なんで?」
「いや、なんでって?」
「じゃあご馳走さーん!」
これで、お客さんは、5人帰った。
つまり、まだ1人残ってる。
正確に言うと、女性が1人吐いていて、
更に、”大”を漏らしていた。
アメリカ人じゃないけど、
控えめに言って、ジーザスだった。
歳下のイケメン店長は、
もう使い物にならない。
完全に戦意喪失してる。
「しゅうすけさん!
どうにかしてください!笑」
笑ってる。
これから僕がやらなきゃいけないことを想像し、それを観れると、観客になれると思って、笑ってやがる。
男が何かを達成する時に、
1番必要なことがわかりますか?
女性が何かを達成する時に、
1番大事なことがわかりますか?
人間が、目の前の恐怖に打ち勝つ時に、
持っていなきゃいけない物がわかりますか?
それは、”覚悟”だ。
僕は、コンビニへと走った。
女性用の下着を自腹で買い、戻ってきて、
マスクとゴム手袋の完全防備で、
全てを綺麗にしてあげた。
何をしたかは、
超正直に生きる今の僕でも、
さすがに慎む笑
想像してください。
あなたに出来ますか?笑
全てを終え、財布から免許証を取り出し、
住所を見て、綺麗な身体をタクシーに乗せ、
その日の僕のバイトは終わった。
気付けば朝7時。
その時間の給料は、出なかった。
翌日、店長に電話があった。
「ちょっと!あんたの所の店で、
イタズラされたんだけど!
酔っ払った私に何したの!?」
店長は、電話でブチ切れたらしい。
「しゅうすけさんが助けてくれたんですよ!何言ってんだ!!!」
その電話の直後なのか、知らない番号から
僕に電話がかかってきた。
「本当に申し訳ございません!!!!
本当にごめんなさい。何をしても償えません。あなたは、命の恩人です。本当にありがとうございます。」
後日、
とは言ってもその日だったか。
そのホステスさんは、僕に直接謝りに来た。
謝礼をたんまり持ってきてくれたが、
断った。しかし、引き下がらないので、
仕方なく1/10くらい頂いた。
もっともらっときゃ良かった。笑
これが、僕と糞ホステスさんの出会い。
(自分では、本当の意味でのクソババアとネタにしている。メンタル激強笑)
もう4年前のことである。
かなり関係ない話っぽくて、
関係ある話を。
僕は、今180cm以上の人に向けて、
XXL限定で服を作っている。
背の高すぎる人達の
洋服の悩みをぶち壊したいからだ。
正直、死ぬほど手探り状態。
まだ多くの悩みを解決することは、
出来ていない。
そこで、今、
送料無料、僕に利益のない2,900円という
激安価格でTシャツを売っている。
今の近い目標は、
100着売らなきゃいけない。
この活動を広めなきゃいけない。
だから、今LiveShop!という
アプリを使って販売している。
Tシャツを5枚も買ってくれたお客様がいた。
それが、糞ホステスさんだった。
「命の恩人だからね。」
5枚も買ってもらってありがたいっすけど、どうするんですか!?
と聞くと、
「もちろん周りの背高い人に配るよ!
広めたいんだもんね!
協力するし、応援する。」
本当に嬉しかった。
すごく心遣いが上手い方で、
僕の意図を汲み取ってくれた。
「地元の人達にも、宣伝しとくから!」
と。
僕は、この4年間の出来事を通して、
こんな風に思った。
ウンコ拭いといて、良かった。
PS この話、ブログで書こうか迷ったんですが、なんか嬉しくて書いちゃいました!
もしかしたら、消すかもです笑
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