偶然を利用する。
ナンパに一番大事なのは、
“いかに自然に声をかけるか”だ。
おどおどしていたり、自信なさそうに話しても、恐怖心を煽るだけ。
また、相手が急いでいたり、待ち合わせしてそうなタイミングの悪い場合も、よーいどんから”しつこい”のイメージがついてしまう為、ダメ。
それに、
僕は、190cmもあって、金髪だし、
恐怖心を煽るだけ煽っているし、
とにかく外見からしつこい。
だからこそ、くっそ丁寧に声掛ける。
タメ口なんか絶対ダメ。
とにかく、
「話を聞いてもらっている。」
を忘れずに、低姿勢で。
更に、その場の状況で1番信じてもらえる事実を武器に声をかける。
こんなナンパ論を偉そうに振りかざすあんぽんたんな僕だけども、
ごく稀に、
全く予想だにしなかった事が起きることも。
先月、8EEの工場がある岐阜にご挨拶に伺おうと前日の夜から僕は、近くの名古屋にいた。
もちろん1人で行っていたので、タイミングが合えば、女性に声を掛けようと思っていた。
しかし、その日は午前中から雨がすごくて靴がびっしょびしょ。
ナンパするよりまずお風呂に入りたかった。
そこで、
名古屋市内にある銭湯に向かっていた。
その途中、赤信号で立ち止まった。
同じ信号を待つスーツ姿の女性が1人。
見晴らしの良い大通りの交差点。
周りの人通りは少なくない。
ガヤガヤもしていない。
彼女はイヤフォンを付けていない。
疲れた顔もしていない。
時刻は21時前。
僕は、さっき名古屋に着いた。
スーツケースを持っている。
行ったこともない銭湯に行こうとしている。
そして、信号はさっき赤になったばかりだ。
道を”自然に”聞くには、
最適過ぎるほど条件は整っていた。
「あのすいません。この辺詳しいですか?」
この質問の返事は、3通り。
❶はい
❷いいえ
❸無視
❸は、
さきの多くの条件から可能性は0に近い。
❶が来た場合は、銭湯の場所を聞く。
地元でも有名な銭湯らしいので、知っている可能性が高い。んで、ナンパが失敗したとしても、助かるし。
ただ、答えは❷だった。
けど、それはそれで、
別の質問が出来るからありがたい。
「いえ、違うんです。」
「えっ!?そうなんですか?ここら辺で働いているんじゃ?」
「あ、いえ。東京からの出張でよく名古屋に来るんです。」
「出張!?大変ですね、、」
「今月もう名古屋に来るの4回目ですよ。」
「じゃあここの銭湯知ってます?」
「え?あっごめんなさい知らないです。」
「さすがに名古屋によく来るとしても、女性が1人で銭湯行かないですもんね笑笑」
「そうですね笑」
良い感じだ。
この人は、話を聞いてくれる人だ。
ありがたい。
いつものように、
素直に僕の置かれてる状況とお願いをした。
状況:
芸人をしながらアパレルをやっていて、明日の朝から岐阜に行き、工場に挨拶に行く予定があること。
お願い:
せっかく名古屋まで来たので、美味しいお店でご飯が食べたい。
これを信号を渡りながら伝えた。
答えは、「明日も早いので1杯だけなら。」
ナンパは、成功した。
ありがとうございます。
そこから仕事の話、趣味、人生観など色んな話をしながら、お店に入った。
店に入った後も、
とにかく僕は自分の今の話をしまくった。
ときおり彼女が質問を投げかけてくれて、
それに答えたり、その質問を逆に質問してみたりして、コミュニケーションを取っていた。
しかし、
彼女はあまり恋愛の話をしなかった。
そうこうしている内に、彼女が帰らなくちゃいけない時間になっていた。
「本当お誘い頂きありがとうございます!
楽しかったです!」
何故、
彼女は恋愛の話をしなかったのだろう。
そこで、僕は、
まだ宿を取れていない事と、
恋愛の話とを重ねて質問してみた。
「今日、泊まらせてもらえませんか?」
「それはダメです。バカですよ?笑」
唐突過ぎて、ウケたのなら良かった。
すぐに諦め、店を出て、
彼女を泊まるホテルまで見送る事にした。
すると、店を出た瞬間、
「もう2度と会うこともないんで、相談なんですが…」と結構きつめな出だし。
「私、2回目のデートに誘われないんです。」
深刻そうな表情だった。
さっきまで快活で、笑顔で、元気に楽しく会話していたのに。
人生観も、人柄も、顔も、スタイルも、
かなり魅力的な女性だった。
しかも、この相談の仕方だと、今気になっている人がいるに違いない。
僕は、完全に川崎から持ってきたパンパン膨らんだ下心を捨て、相談に乗った。
内容は、偏見に満ち溢れていた。
簡単に言うと、
「サラリーマンは、○○な女子が好き。」
「猫被らなきゃ、モテない。」
とか。
素直に、僕は
「それは、もうやめて笑
それで沢山デート失敗してきたなら、どストレートに素直な自分を出してみてよ!嫌われてもいいじゃん。それで嫌う男なんてそれ程度の男。肩書きとか顔だけしか見てないダサ男だよ。付き合わなくて良かったって思えばいい。」
すると、彼女は、
「そうなんです!だからなのか。。」
「ん?どういうこと?」と聞くと、
この前、素直に自分を出したら、2回目のデートに誘われたらしい。
いや、誘われてるじゃん!笑笑
なんだったんだよ、この相談!
って思ったけど、どうやら
「何故、誘われたのか?」
の理由が分からなかったらしい。
だから、僕は
「次のデートで聞いてみよう!
LINEじゃなくて、実際に会って聞いてみよう!今あなたが一生懸命考えている答えとは、違う答えを考えているかもしれない。
相手の答えを1人で考えないで、思いきって分からない事は聞いてみましょ!」
って言いました。
ゴリッゴリに、さっきまで下心を持って話をしていた奴とは思えないほどの熱量で相談に乗った。んでLINEを教えておいた。
「いつでも相談してね!」
僕は、何様なんだ?笑
ただ、僕は、少しの時間で彼女の魅力を沢山見つられたから、とにかく応援したかった。
そこから、
ほぼ毎日LINEのやり取りをしている。
2回目のデートの報告。
3回目のデートに誘われるまでの間の不安。
誘われた喜び。
誘われたデートスポットが苦手だという事の伝え方。
もう何でも相談に乗っていた。
そして、4回目のデートを終え、
彼女には、彼氏が出来た。
おめでとう。
けど、彼女にはまだ不安があるらしく、
大変困っている。
考え過ぎちゃう人なんだろうね。
気持ちはよくわかるから、今もなお相談は続いている。
上手く行って少しでも多く幸せを感じられる瞬間が多ければ幸いです。
PS.でも、
とりあえず本当に付き合えて良かった。
今まで出来なかった事を叶えたい人間を応援して、それが叶った時、こんなに嬉しいもんなんだなって思った。
ナンパして良かった笑
こんな素敵な話になるのは、偶然だけどね笑
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